ご来院ケースのご紹介/フェレット

ご留意:患部の画像なども掲載しておりますので、閲覧の際はご留意願います。

<Q1.おしっこが出ませんっ!>・・・尿路閉塞

おしっこが出なくて苦しそうで、食欲もあまりないということで来院されました。排尿姿勢はとるものの排尿がなく、腹部を触診すると大きな膀胱が触れられ、痛がるような圧痛もありました。レントゲン検査の結果、パンパンに膨れた膀胱が確認できました。膀胱内には結石はありませんでしたが、この子は男の子でしたので尿道の陰茎骨の部分にやや白くなった部分があり、尿道に尿中ミネラルの結晶が詰まったために閉塞を起こしたものと診断しました。血液検査結果では高窒素血症になっていたので、急遽尿路の開通を行う処置を施しました。

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画像1

高窒素血症改善のため、前足に血管カテーテルを留置(画像1)して点滴を行いました。

また、麻酔下で陰茎骨を包皮から露出し、導尿カテーテルを挿入しました(画像2)。この挿入はコツがいるため、なかなかうまくできないので、熟練した獣医さんでないと難しいかもしれません。

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画像2
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画像3

導尿カテーテル挿入後に留置の処置(画像3)を行いましたが、膀胱洗浄時にカテーテルが尿中ミネラルによりすぐに閉塞してしまうので、飼い主様と相談して尿道婁形成手術を行う事に決定しました。

尿中には多数の結晶が見られ(画像4)、これが原因となって閉塞を引き起こします。

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画像4
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画像5
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画像6

手術の方式は、男の子の尿道を女の子のように尿道開口部を広げて閉塞をさせないようにする手術です。

カテーテルを挿入したまま、坐骨弓付近で皮膚切開を行い尿道まで切り開きます。尿道まで達したら粘膜切開を行い、片方のカテーテルを切開創から引き抜きます(画像5,6)。

その後、尿道粘膜と表皮の縫合を行い(画像7)永久的な尿道開口部を作成します。2週間ほどで抜糸をして終了となります(画像8)。

このフェレットちゃんは、この後は尿道閉塞に悩まされる事はなく、元気に過ごしています。

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画像7
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画像8

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<Q2.しっぽが腫れています!>・・・脊索腫

 『先生っ!しっぽが腫れていたんですけど、様子を見ていたらだんだん大きくなってしまった・・・』ということで来院されました。

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画像9

フェレットちゃんの飼い主さんでは知られていると思いますが、しっぽの先の方や途中にシコリができる病気(画像9)があります。出来た時は小さいシコリなので、痛みも化膿もないため心配なく様子を見てしまいがちですが、ほとんどのものが徐々に大きくなるために、最終的には外科的摘出手術を余儀なくされます。身体の皮膚腫瘍であれば、腫瘍の周りの皮膚ごときれいに取る事も可能ですが、しっぽの皮膚は伸長力に乏しく、また皮膚面積も少ないため、シコリだけを取り去る事はほとんどの場合困難なので、断尾手術も伴うことになります。

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画像10

 今回のフェレットちゃんは、尻尾の途中に出来たため(画像10、11)、だいぶ短く尻尾を切らなくてはいけない手術となりました。

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画像11
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画像12

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画像15

 X線画像で確認(12)しても、しっぽの中の方まで石灰化が進んでいますので、この部分は完全に取り切るように手術しないといけません。
 ただし、闇雲にその部分から切除しても、抜糸をする頃には皮膚が少し縮む事になるので、しっぽの骨が飛び出てしまいます。
 それを計算して、1尾椎ほど短く断尾して(画像13、14)やや残したしっぽの皮膚を縫合します(画像15)。
 この腫瘍は、局所浸潤性が強い事から悪性に分類されている腫瘍性病変ですが、転移する事はほとんどないとされています。このフェレットちゃんの病理検査報告書では、断尾により完全に取りきられていたと報告がありました。

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画像13
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画像14

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<Q3.腰に大きなシコリができています!>・・・皮脂腺上皮腫

 何ヶ月前から腰に小さなシコリが出来ていましたが、小さかったためほうおっておいてしまったフェレットちゃんです。少し気になるのか、舐めたり掻いたりしてはカサブタになり、それがまた取れると気にしているという行動を繰り返していました。
 飼い主様のお仕事が忙しい事も重なり、大きくなってはいたけどそのままにしていたら、かなり大きくなってしまい、カサブタを咬む事で血が出るようになってしまったため来院されました。

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画像16
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画像17

 だいぶ大きなシコリ(画像16,17)でしたが、触診した結果、下部組織とは境界がはっきりとしていて、容易に取れそうなシコリでした。ただし、年齢がフェレッとちゃんとしては6歳と高齢である事と摘出するシコリの面積が大きいため、皮膚を大きく取り去らなければならない事がネックとなりました。

 一番の悩みは皮膚がなくなる部分が大きくなくなることです。そのような時は、皮膚を縫合する際に引っ張りすぎると縫合部位の皮膚の緊張が強すぎて、裂けてしまったり癒合不全(くっつかない事)が起こったりします。
 そのためフラップというものを皮膚で作成し、切除した皮膚の部分と違う形で縫合し、皮膚同士の緊張を弱めて癒合させる方法を選択しました(画像18~22)。

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画像18
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画像19
 
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画像20
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画像21
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画像22

 無事摘出手術も終わり、その後の経過も良かったですが痛そうにしていたようです。約3週間後には皮膚の後も消えて(画像23)元気良く過ごしていました。病理検査の結果は『皮脂腺上皮腫』(画像24)とうい診断でした。フェレットちゃんは、汗腺が身体にほとんどなく、その代わり皮脂腺がとても発達している動物です。そのためこのような腫瘍も多く発生しやすいので、小さいうちに摘出していれば術後に痛い思いをしないですんだはずです。皆さんもシコリに関しては、出来るだけ小さいうちに病院へ連れて行ってあげてください。

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画像23
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画像24

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<Q4.ずっと吐いているんですが大丈夫ですか?>・・・腸閉塞・異物摂取

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画像25

 嘔吐が続いているという事で急遽来院されたフェレットちゃんです。本来、フェレットという動物は猫ちゃんのように吐いたりする事がありません。猫ちゃんの場合は、毛玉などを吐いて胃から出すことを行うため、吐く姿を見かける猫ちゃんもいますが、フェレットちゃんの場合は問題があると考えてください。
 このフェレットちゃんも普段は吐いていなかったのですが、突然食欲がなくなって吐き始めたという事でした。診察中も触診時に診察台の上で嘔吐をしていましたので、異物の摂取か腸管閉塞を疑ってレントゲン検査を行いました。単純撮影でははっきりとは分かりにくいですが、矢印の部分(画像25)にX線の透過しにくい部分があるので、そこが原因となって閉塞しているのではないという疑いになりました。そこで、バリウム検査を行って実際にその部分で閉塞しているかどうかの確認となりました。

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画像26
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画像27

 バリウムを飲ませてから、0分、15分、30分、60分、それ以降は1時間ごとにレントゲン撮影(画像26~29)します。通常フェレットちゃんは、食べたものでも約3~4時間ほどで肛門の方まで移動して排泄されますので、このバリウム画像(画像29)のように3時間(180分)経過しても肛門まで届いていない事は閉塞を意味しています。また、完全に閉塞しているため、閉塞部位より上の部分にバリウムが溜まってしまい、まるで長いソーセージのような腸として写るのです。正常であれば、蠕動運動という運動がありますので、こんな写り方はしません。

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画像30
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 X線検査の結果、異物による腸管閉塞の仮診断をして手術の予定となりましたが、だいぶ吐いて衰弱している事と血液検査での結果があまり良くない事から、慎重に麻酔をかけ手術しました。
 腹部を切開すると、力がなく太く広がってしまった腸が確認でき、その中にはバリウムが充満していました。閉塞部を丁寧に探しながら発見すると、そこには硬くて細長い物体が腸管を塞いでいました。その物体を取り出すため腸管を切開し、摘出後縫合をし閉腹しました。

 摘出した物体は毛玉(画像32)でした。フェレットの腸管は細いため、この程度の毛玉でも腸管を塞いで閉塞を招きます。日頃のブラッシングや、毛玉予防のペーストなどをしっかりと飲ませて予防しなくてはいけません。
 ただし、毛玉予防としてフェレット専門店やペットショップで『ドライフルーツ』(パイナップル)などを販売していますが、これらはむしろ腸閉塞を起こす原因となりうるので使用しないでください。
 当院でも、店員さんに勧められドライフルーツを食べさせていたら、ある日突然嘔吐が止まらなくなりびっくりして病院へいらっしゃいました。最初は異物を食べてしまったのではないかと聞きましたが、絶対にないと飼い主さんが言いますので、バリウム造影をしたところ胃の出口で全くバリウムが流れない事が分かりました。急遽手術を行いましたが、出てきたのはいつも与えていた四角いドライフルーツでした。それからは一切与えていないそうです。どうも、毛玉排出のため線維質を取らせようとして勧められたそうです。

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画像28
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画像29

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術後のX線画像
この後すぐにバリウムは
全部流れました

 フェレットは『食肉目』の動物で、他の動物より消化時間がとても短い動物です。ですから、毛玉の排出を促すために大量の線維質を与えたりすると、食事の通過時間が早まりかえって下痢や消化吸収不良の原因となる可能性があります。
 もし、知らないで与えている飼い主さんがいらっしゃいましたら、すぐにでもお止めくださいね。

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<Q5.毛が薄くなって、お尻の方が腫れています!>・・・副腎疾患(内科療法)

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江東区潮見の動物病院  『何か年をとったせいか、最近少し痩せて毛が薄くなってきたみたい』とか『うちの子女の子だけど、おしっこ出る所が腫れているの』、『男の子のフェレットだけど、年をとったからかおしっこをよく漏らすんだよね』などといった事で4歳くらい以降のフェレットちゃん達がけっこう来院されます。高齢になったから毛が薄くなる皮膚病とか、お年をとったから尿漏れするなどと年齢のせいにしていませんか?

実はこれらの症状は、フェレットちゃん特有の『副腎疾患』が主原因かもしれません。お年のせいと思って見過ごしていると、大変大きな病気を見逃すことにつながります。

多くのフェレットちゃんの飼い主様はご存知の『副腎疾患』ですが、これは早期に行われる去勢・避妊手術のためと現時点では言われています。

副腎が脳から出るホルモンの影響を受けて大きくなり、副腎自体から出るホルモン量が長期間多く出続ける事により、毛が抜けて生えてこない症状がでます。徐々に脱毛部位が広がり、ついには全身が脱毛してしまうフェレットちゃんもいます。また、女の子の場合は外陰部が発情と同じように腫れてきます。また、そこから膿性の分泌物が出ることもあります。男の子ですと、前立腺が肥大して尿管を圧迫したり、前立腺内に感染が起こって尿がどろどろの感染尿になり、頻尿や排尿困難を起こし膀胱炎のような症状ですが、場合によっては尿路の閉塞している事もあり緊急処置が必要になることもしばしばあります。
そのため、一番の原因である副腎という組織に外科ないし内科治療を施すのですが、今回は内科治療をご紹介します。

内科治療は、ホルモンをコントロールする注射をすることで症状改善がかなり期待できます。脱毛していたフェレットちゃんが、以前のようにフサフサにけが生えてきたり、外陰部の腫れが引いたりする事が可能になります。
この注射は病院によって多少の違いはありますが、だいたい一月に一回の注射を継続的に行っていきます。1回注射すれば良いんじゃないの? と、お思われるでしょうが、脳から出て副腎を刺激するホルモンを抑制して副腎の異常な過形成(大きくなりすぎる)からでるホルモンをの分泌を抑えて症状を改善へ導くため、その後の半永久的な注射が必要となります。
ですから、症状が改善しても副腎自体は縮小もしていませんし、その副腎自体に薬が効いているわけでもないため、過形成から腺腫、腺癌へと変化していく事もあります。そうなると、注射の効果も低くなる事もあり、外科的摘出も検討していかなくてはいけません。
その場合は、麻酔のリスクなどのインフォームドコンセントを病院から充分聞いてからご判断してください。

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患者様ご来院エリア:江東区 豊洲 東雲 辰巳 有明
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